3日連続で『魔笛』を観ました(神奈川&せんがわ)

先日、『魔笛』を2つ観ました♪
神奈川県民ホールで上演された『魔笛』(18日)と、調布市せんがわ劇場で上演された東京室内歌劇場の『魔笛』(17日:Aキャスト)。
16日には、神奈川の公開リハーサル観覧(ステージ見学と川瀬賢太郎氏のトークイベント付き)に参加したので、3日連続での鑑賞となりました。

全くタイプの違う2つの『魔笛』を心から楽しんだ、
大・大・大満足の3日間でした(〃´∪`〃)

まずは神奈川の、勅使川原氏が演出(照明・美術・衣裳も担当)した『魔笛』の感想です。

何もかもがカッコ良かった!!!
演出・舞台美術・衣装の全てがスッキリとした、都会的でクールな『魔笛』でした。

ダンスやナレーションを取り入れた、勅使川原氏独特の『魔笛』でしたので、例えば(オペラではありませんが)蜷川演出のマクベスが『NINAGAWA・マクベス』であるように、『TESHIGAWARA・魔笛』とでも呼びたい舞台作品だと思いました。

全てにおいて、「ダンサー」としての勅使河原氏の発想や美意識が色濃く出ていた気がします。

例えば、一般的なオペラファンであれば、パパゲーノといえば、オウムやインコのような明るい色彩の鳥人間を思い浮かべると思うのですが、この『魔笛』のパパゲーノは白い羽毛の衣装、まるで白鳥のようです。

それに対して、夜の女王や侍女たちは黒一色のドレス(黒い羽毛付き)、まるで黒鳥のようです。
善の白鳥と悪の黒鳥の対比、それで私はバレエ『白鳥の湖』を連想しました。
パパゲーノがポーンとジャンプして登場する様はロットバルトを連想しました。白いけど。

私は3階席からオペラグラスを使って観ていましたので、
パパゲーノ+3侍女のシーンでは、
白鳥と黒鳥たちをバードウォッチングしている気分になりました。←冗談です

『白鳥の湖』を連想すると同時に、宇宙的・SF的な印象も持ちました。
タミーノの濃いオレンジ色の衣装を見て、太陽を連想しました。

真っ白な謎の着ぐるみキャラのモノスタトスや3童子は、
まるで宇宙からの生命体?(笑)
観た方はご存知の通り、形状も動作も我々人類とは違い、謎めいていました。

こうなると、モノスタトスという名前さえ、SFのカテゴリーに思えてきました。
スターゲイト、メトロポリス、モノスタトス・・・

モノスタトスの巨大な両手は、胴体脇のスリットから出し入れ出来るようになっていて、シーンによって出したり収納したりしているのですが、パミーナに手を出そうとするシーンでは、文字通り「手を出して」いる!(笑)
あの手は、欲望をデフォルメして表現したものなのかしら・・・・。

それにしても、3童子の一糸乱れぬヨチヨチ歩きはとっても可愛かった~(*´ω`*n)

歌もオケも期待通りの素敵な演奏で、ダンスには思わず目が釘付けになりました。
オペラファンの私ですが、久しぶりに、バレエも観たくなっちゃった。
同様に、東京バレエ団をお目当てに観にいらした方の中にも、もしかしたら、オペラを観たくなった人がいるかも知れませんね。

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せんがわ劇場の『魔笛』は、神奈川とは全く違う種類の魅力でいっぱいでした。

120席ほど?の小劇場での上演で、演じる側と観る側の距離がとにかく近い!!
特に私は最前列で観ましたので、歌手の皆さんに文字通り「手が届きそう」・・・って言うか、ホントに届いちゃう至近距離で歌を聴かせていただくという、至福の時を過ごしました(〃´∪`〃)ウットリ

とにかくアットホームで、楽しく温かく可愛く美しい『魔笛』でした。
舞台美術や衣装がとっても素敵で・・・まるで絵本の中に迷い込んだみたい。
好感度の高い、誰からも好かれるような『魔笛』だったと思います。

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そんな、神奈川とせんがわ、全く違う魅力の『魔笛』を楽しんだ後の19日には、
バイエルン国立歌劇場 STAATSOPER.TV の無料配信『アンドレア・シェニエ』を観ました♪
カウフマンも良かったけど、ハルテロスの歌唱にグッときました。