「ミッキー、ドナルド、グーフィーの三銃士」とクラシック音楽、ギルバート&サリヴァンのオペレッタなど

先月ディズニーチャンネルで観た「ミッキー、ドナルド、グーフィーの三銃士」。
クラシック音楽のメロディがたくさん使われていたこともあり、
つい夢中になって観てしまいました。

公式ページ「収録内容」のソングリストによりますと、使用曲は

・銃士隊のテーマ (原曲:「天国と地獄」:オッフェンバック)
・俺はかっこいい (オリジナル)
・ファースト・ラブ (原曲:『くるみ割り人形』より「あし笛の踊り」:チャイコフスキー)
・愛の翼 (原曲:「美しき青きドナウ」:ヨハン・シュトラウス2世)
・ピートはフランスの王様だ (原曲:「山の魔王の宮殿にて」:グリーグ)
・愛の鎖 (原曲:『カルメン』より「ハバネラ」:ビゼー)
・おしまいだ (原曲:交響曲第5番「運命」:ベートーベン)
・オペラ(原曲:「ペンザンスの海賊」/「王女イダ」より :サリヴァン)

とのことですが、おや、チャイコフスキーの
「ロメオとジュリエット」が抜けてます。
とーっても素敵なシーンで使われていたんですよー。
(以下、映画の内容を若干含みます。これから観る方はご注意ください)

「銃士隊のテーマ」(All For One and One For All)は
「天国と地獄」のメロディに歌詞を付けた曲。
銃士隊を一望するシーンなどで使われていました。

「ファースト・ラブ」(Love So Lovely)は、
「あし笛の踊り」と「ロメオとジュリエット」をつなげたメロディに
歌詞を付けた曲。
プリンセス・ミニーがまだ見ぬ運命の男性を想いつつ、
バラを片手に2匹の蝶を伴いながら宮殿の庭園を散歩するシーンで流れる曲で、
カメが声高らかに歌っています。
(カメはこの「三銃士」の語り部のような存在で吟遊詩人。神出鬼没です)

プリンセス・ミニーがミッキーと初めて対面するシーンでも
再び「ロメオとジュリエット」が使われているのですが、
今度は歌ではなく、原曲通りにオーケストラのまま使われています。
運命の男性ミッキーと目が合った瞬間、恋に落ちたミニーの心は夢の世界へ・・・

ミッキー、ドナルド、グーフィーの三銃士

私はこのシーン、猛烈に好き好き好き好き好き好き好き、だぁ~い好きです。
聴く者を陶酔させる、ロマンチックで甘美なチャイコフスキーの
「ロメオとジュリエット」のメロディがすごく映像に合ってて・・・
思わずウットリ。
夢から醒める瞬間もコミカルでイイです(笑)

「ピートはフランスの王様だ」(Petey’s King of France)は、
王座を狙う悪役の銃士隊長ピートのテーマ曲で、
ペールギュントより「山の魔王の宮殿にて」のメロディに歌詞を付けた曲です。

「愛の翼」(Sweet Wings Of Love)は、
ミッキーとミニーの初デートを見守るカメが、
2匹の蝶のコーラスをバックにピアノで弾き語る曲で、
「美しく青きドナウ」のメロディに歌詞を付けた曲。

「愛の鎖」(Chains of Love)は、カルメンより「ハバネラ」の替え歌で、
グーフィーとクララベルのデュエット曲になっています。
ピートの仲間クララベルは、グーフィーを捕えて
橋の上から川に落とそうとするのですが、
そんな状況の中「キミって、とってもステキな声だね」と
クララベルにひとめぼれし、「ハバネラ」を歌い出すグーフィー。
そんなグーフィーにクララベルも思わず目がハート。
カルメンのように情熱的に「ハバネラ」を歌い上げます。
その音圧で、お月さまも割れました(笑)

ミッキー、ドナルド、グーフィーの三銃士

「おしまいだ」(This is the end)は、
ジャジャジャジャ~ンの「運命」のメロディに歌詞を付けた曲で、
モン・サン・ミッシェルの地下牢に閉じ込められたミッキーを
救出する勇気が無いドナルドに対し、カメが一喝するように歌います。
(勇気が出たドナルドはカメにお礼を言い、すぐ救出に向かいます)

ミッキー、ドナルド、グーフィーの三銃士

クライマックスで上演されるの劇中劇のオペラの演目は
「王様になるのが待ち切れない」だそうですが(ピートが台詞でそう言っていた)、
原曲はオペラではなく、ギルバート&サリヴァンのオペレッタ
「ペンザンスの海賊(The Pirates of Penzance)」と「王女イダ(Princess Ida)」
なんですね。
私は両方とも今まで聴いたことがなかったので、
劇中劇のオペラのシーンを観ても、曲名がわかりませんでした、とほほ。

英語のwikipediaによりますと「ペンザンスの海賊」からは

“With cat-like tread”
“Poor wand’ring one”
“Climbing over rocky mountain”
“I Am the Very Model of a Modern Major-General”(Major-General’s Song)

が使われていて、「王女イダ」からは序曲が使われているそうです。
各曲をYouTubeで聴いてみたんですけど、確かに。
それぞれちょっとずつ使われています。

オペラのポスターが映るたびに何度もテーマとして流れていた曲は
「With cat-like tread」、
3人娘が歌っている曲は「Poor wand’ring one」と「Climbing over rocky mountain」、
将校のような衣装で早口で歌っている曲は
「I Am the Very Model of a Modern Major-General」、
指揮者が慌てて選曲した後に流れた曲が「王女イダ」の序曲、ということですね。